株式会社ノベルクリスタルテクノロジーへの追加出資のお知らせ
2023/07/28 株式会社タムラ製作所
株式会社タムラ製作所(本社︓東京都練馬区、代表取締役社長︓浅田 昌弘、以下、「当社」)は、株式会社ノベルクリスタルテクノロジー(本社︓埼玉県狭山市、代表取締役社長︓倉又 朗人、以下、「NCT」)が実施する第三者割当増資の一部を引き受け、追加出資を実施しましたので、お知らせします。
NCTは、β型酸化ガリウム(β-Ga2O3)関連製品の開発と事業化を、外部資本を積極的に取り込みながら、独立した経営陣でスピーディに行うべく、2015年に設立されました。当社の持分法非適用関連会社です。現在、β-Ga2O3単結晶基板やエピタキシャルウエハの開発・製造・販売およびそれを用いたパワーデバイスの開発を行っています。
β-Ga2O3は2030年頃に市場拡大が期待される新世代パワーデバイス用半導体として注目を集めています。β-Ga2O3を用いたパワーデバイスは低コストと高性能を両立できることが期待されており、省エネ型社会の実現に向けた様々なパワーエレクトロニクス機器での使用が想定されます。
当社は、現在推進中の第13次中期経営計画「Energize the Future 100」(2022年4月~2025年3月)において、パワエレ・モビリティ・IoT分野に注力しており、それらの分野に使用される電子部品や電子化学材料の開発・製造・販売を通して、NCTと共に成長することを目指しています。今回の増資により、NCTが、製品開発推進、製造設備増強や製造技術の確立など、事業化に向けた取り組みをさらに加速することを期待しています。
【参考情報︓NCTの開発状況と成果】
現在、β-Ga
2O
3ウエハは全て研究開発向けに販売しているものですが、その研究開発用途におけるNCTのシェアはほぼ100%です。また、開発中のダイオードやトランジスタの特性においても世界をリードする成果を報告しています。
近年、シリコン(Si)半導体の性能を超える新材料として炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)が注目を集めていますが、β-Ga2O3の強みは、SiCやGaNを大きく上回るワイドバンドギャップ性能を有するパワー半導体であること、および融液成長法を製造法とするため、高品質の単結晶基板を安価に製造可能であることです。β-Ga2O3を用いたパワーデバイスが実用化されれば、家電、電気自動車、鉄道車両、産業用機器、太陽光発電、風力発電などのパワーエレクトロニクス機器のさらなる低損失・低コスト化に寄与することが期待されます。そのため、国内外の企業および研究機関においてもβ-Ga2O3の研究開発が加速しています。
2022年2月の前回増資以降、NCTは超低損失大電流のパワーデバイスの実現を可能とするβ-Ga2O3の100 mmエピタキシャルウエハの高品質化および製造体制の構築・増強を進めてきました。また、ダイオードやトランジスタへの開発投資を積極的に行い、開発成果を上げています。2022年から2023年に発表した主な開発成果は以下のとおりです。
<2022年9月>
世界で初めて、酸化ガリウム反転型DI-MOSトランジスタを試作
<2022年12月>
次世代のパワー半導体β型酸化ガリウムの結晶欠陥イメージング技術を開発
<2023年4月>
国内で初めて、酸化ガリウムショットキーバリアダイオード搭載の出力電力350 W電流連続型力率改善回路の実機動作確認に成功
【タムラグループについて】
タムラグループは、トランス・リアクタなどの電子部品、接合材や絶縁材などの電子化学材料、自動はんだ付装置、放送局用音声調整卓などを製造・販売しています。
タムラの製品は材料、部品、装置として、自動車や電子機器など身近な製品から製造現場の装置や再生可能エネルギー分野、さらには宇宙まで、さまざまな産業や社会インフラを支えています。素材からシステムまで、タムラのテクノロジーは人々の暮らしの安全・快適や脱炭素社会の実現に貢献しています。
<第13次中期経営計画>