トップメッセージ

「Oneタムラ」としてグループの総力を挙げて
100周年に向けさらなる発展に尽力してまいります。


タムラグループは長期ビジョンとして創業100周年(2024年)とその先に続く持続的な成長を見据える中期経営計画を、2019年4月よりスタートしています。そこに突然現れたコロナ禍の中、会長・社長の両名に現在の事業環境と今後の見通しに関する想いを聞きました。(インタビュー実施日:2020年6月2日)

社長画像
代表取締役会長 代表取締役社長
田村 直樹 浅田 昌弘
 

国連グローバル・コンパクト
支持表明メッセージ


タムラグループは、国連グローバル・コンパクトの人権、労働、環境および腐敗防止の 4分野に関する10原則を引き続き支持し、推進してまいりますことを、ステークホルダー(利害関係者)の皆様方に宣言いたします。

  



 
  
代表取締役社長
浅田 昌弘



2019年度の事業環境と主な業績についてご説明をお願いします。

浅田 2019年度は、米中貿易摩擦の最中に始まり、終盤に至って新型コロナウイルス感染症が経済を直撃するなど、当社にとって波乱の1年となりました。なによりもまずは、新型コロナウイルスに罹患された方々、困難な状況におかれている方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。また、感染拡大防止のために、それぞれの立場で日々努力し、社会に貢献されている全ての皆様へ、深く感謝を申し上げます。
収益面では、残念ながら「米中摩擦」と「新型コロナウイルス」という2大要因によって対前期比で減益となり、中期経営計画初年度の目標も未達となってしまいました。
特に期待をしていた「車載製品」は、新型コロナの影響で自動車メーカーの生産計画が後ろ倒しになったことから事業全体が停滞しました。しかし、今後もハイブリッド車など環境対応車のニーズは高まり続けると予測しており、アフターコロナの需要増に期待しています。また、電子化学製品では中国の5G市場が拡大を続けていますので、米中摩擦の中でも今後の投資の伸びが期待できると考えています。



2020年1月に実施された「経営層の担当事業変更」の狙いを教えてください。

浅田 2019年度にスタートした中期経営計画「Biltrite Tamura GROWING ANEW」では、今後の市場拡大が期待される「車載」「パワーエレクトロニクス」「IoT・次世代通信」の3分野を成長の柱に位置付けています。これらの市場に「Oneタムラ戦略」として、全社員が「One Team」となり、総力を結集して顧客にアプローチしていくことを方針としています。
今回、各分野に精通した事業部トップの配置を換えたのは、各事業部のベストプラクティスを他の事業領域でも展開し、異なる事業同士の掛け合わせによる化学反応を期待したものです。例えば車載製品には、電子部品だけでなく電子化学や実装装置関連のビジネスチャンスも存在しています。つまり、さらなる業績拡大のためには事業部単独ではなくグループ一丸となったアプローチが重要であるわけです。これまで以上に事業の垣根を超えた人材活用を加速させながら、全社レベルのビジネス効率化を進めていきたいと思っています。



業績拡大に向けた顧客へのアプローチのポイントはどのようなことでしょうか?

浅田 グループ一丸となって個々のお客様に向き合い、「タムラグループは、部品、材料、装置など多様な事業を手がけている」ということに加え、事業の幅が広いからこそ業績も安定し、グローバル規模でネットワークが広がっていることを、お客様にご理解いただきたいと考えています。今後のビジネスシーンでは、「タムラ」というブランドの浸透をミッションとして、第一にタムラグループの全体像を、第二に各事業の内容を紹介することで理解を深めていただき、最終的な商談につなげていくというストーリーを思い描いています。



Oneタムラ戦略における人材活用や人材育成の考え方をお聞かせください。

浅田 当面は、Oneタムラ戦略に連動して経営層の強化と育成に力を入れていきます。これまでボトムアップの教育プログラムは比較的充実していた反面、経営のけん引役となる人材育成が急務となっているためです。
また、ビジョンに連動した人事制度改革も進めます。当社のような「ものづくり企業」では、イノベーションを担う専門職社員にマネジメントの負担まで重なると、せっかく尖った感性を持つ貴重な人材が開発に時間を割けないという弊害が生まれます。しかも「名選手、必ずしも名監督にあらず」と言われるように、専門職として優れた人がマネジメント能力にも長けているとは限りません。であれば、人事制度としても専門職が自らの専門領域を極めながら上を目指せることが必要です。働き方改革は「働きやすさ」ばかりが注目されますが、「働きがい」も重視して、開発者や研究者には研究開発に没頭できる環境を提供する制度を構築したいと考えています。




 
  
代表取締役会長
田村 直樹



従業員に関する話題では、
SDGsに対する認識度が97%に上ったという調査結果をお聞きしました。
これはどのような要因によるものでしょうか?

田村 ほぼ100%に近い認知度になったのは、プッシュ型の情報提供に力を入れた成果だと思っています。2019年度は「SDGsの17目標とは何か」について、従業員に向けたメールマガジンで定期的かつ集中的に配信しました。17目標の解説だけではなく、世界中で行われている具体的な取り組みや社内で実際に行われた活動事例を同時に紹介したことで、SDGsを身近に感じてもらえたのではないかと考えています。
例えば、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」は、一見すると当社の事業には関わりのないものに思えますが、私は、事業活動とは開発、生産、商取引だけではなく、社員に対する教育や福利厚生も含まれていると考えています。そんな折、同じ業界でCSR活動でもご縁のあるパナソニックの方から、持続可能性が担保された魚介類を社員食堂で提供する「サステナブル・シーフード」という活動をされているとお聞きしたのです。これはまさに事業の中で「海の豊かさを守ろう」に貢献できるものであると考え、さっそく当社の社員食堂の運営委託会社と協議し、CoC認証*を取得してもらい、定期的にサステナブル・シーフードを提供できるようになりました。今後も、このようなSDGsを身近に感じられる施策を展開していきたいと思っています。

*サステナブル・シーフードとして認証されたMSC(天然水産物認証制度)/ASC(養殖水産物認証制度)の水産物が、非認証水産物と混ざることなく消費者に届くこと(トレーサビリティ)を担保した認証制度



SDGsに関しては、温室効果ガスや再生可能エネルギーについて、
2030年に向けた目標を改めて設定されました。


田村 SDGsの目標達成に貢献することをコミットした企業として、具体的なKPIを設定する必要があると考えたからです。温室効果ガスは2030年度にて2013年度比で21%以上の削減、再生可能エネルギーは2019年度導入量を2030年度にて2倍以上とすることを目標としています。
特に再生可能エネルギーについては、将来的な「脱炭素」を見据えたサステナビリティ戦略の一環として目標設定しました。2018年に建て替えた坂戸事業所でNearly ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認定を取得するなど、脱炭素化に向けた施策もスタートしています。
こうした環境投資を継続すると共に、環境貢献製品の拡販と生産性の向上も追求していきます。図らずも新型コロナウイルス感染症対策でビジネスのオンライン化が進んでいますので、これを契機にICTを積極的に活用していくことも考えています。



SDGsへの貢献も含め、2020年度以降の事業環境について、
どのような展望をお持ちでしょうか?


田村 持続可能な社会の発展を謳ったのがSDGsですが、新型コロナの出現で社会生活や経済の継続性に疑問が付き始めています。SDGsの理念や目標などの知識は、社員一人ひとりに浸透したはずですので、2020年度は拠点や部門単位で実際のアクションを起こしていくべき年でしたが、状況の変化を踏まえて今一度BCP(事業継続計画)の観点から事業全般を再点検し、まずはBCPマニュアルの見直しを図ることから始めたいと考えています。

浅田 経営的には、中期経営計画の柱に据えた「車載」「パワーエレクトロニクス」「IoT・次世代通信」の3分野に注力していくことがSDGsや社会貢献も含めて重要になると思っています。
アフターコロナでは、ビジネスの基本スタンスは変えないとしても、やり方は変える必要があるでしょう。オンラインでは、顧客からのアクセスがなければビジネスになりません。物理的に人が出向かないと動かない部分をどう乗り越えていくかも課題です。「どの機能」を「どういう形」で「どこに持つか」をBCPの観点から見直していきたいと思います。



最後に、ステークホルダーの皆様へメッセージをお願いします。

田村 2019年度は、新型コロナという新たな社会課題が顕在化しましたが、持続可能な企業であるためには、社会や自然との共生はもちろん、ウイルスとさえも共存していく覚悟を持ち、SDGsへの貢献をこれまで以上に意識して経営していくことが重要であると改めて認識しました。特に、テレワークなどによる働き方改革や業務改革、CO₂排出量削減など新型コロナを契機に良い方向に進んだものは一過性で終わらせず継続し、ポジティブな成果を今後どう維持していくか、それが私たち経営トップの課題であると考えています。

浅田 今後、対面からオンラインへと移り行くビジネスの中では、モニター越しでも光って見える製品、お客様から進んで問い合わせたくなるダントツの「魅力ある製品」が必要になってきます。その「魅力ある製品」を作り出すために、マーケティングから見直して製品力をアップさせ、Oneタムラ戦略の事業部間連携を活かした「事業部間コラボ製品」の創造にもチャレンジしていきます。
私たちタムラグループは、今のピンチをチャンスに変えて、4年後に迎える創業100周年に向け会社のさらなる発展に尽力してまいります。ステークホルダーの皆様には、これまでと変わらぬご支援をお願い申し上げます。







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