国内グローバル人材育成の一環として、階層別に種々の研修を実施しています。新入社員には入社時研修内に異文化理解と英語学習のプログラムを取り入れ、グローバルに活躍する基礎の強化を行っています。また、2010年度から、毎年継続して、国内従業員を対象に英語能力向上のため、TOEIC-IPテストを実施しており、受験者は、国内従業員の約8割となりました。管理職への登用要件として一定以上のスコアの取得を必須とし、そのための教育プログラムも導入しています。
同時に、海外現地法人でのナショナルスタッフの幹部への積極登用を進めており、2015年以降、海外現地法人管理職に占めるナショナルスタッフの割合は、約8割を超えております。
◆経営層の育成(現在経営層・次世代若手選抜)
2019年より事業の中核を担う執行役員、本部長クラスを対象に、戦略立案、事業マネジメント、リーダーシップに関する能力の向上を図り、より高いレベルでのマネジメントができるようになることを狙いとして経営層研修を実施しいます。更に2023年度からは次期役員候補者を対象にVUCAの時代に必要なリーダーシップ力を涵養するためリベラル・アーツ研修も取り入れています。
◆教育研修体系
タムラ製作所では、2021年4月の新人事制度導入と併せて、自律的人材育成ならびに早期キャリアパス形成を目的とした教育研修体系の見直しを実施しました。これまでの選抜研修、語学研修等に加え、Eラーニングを導入し、社員一人ひとりの成長を後押ししています。
労働に関する基本方針
タムラグループでは、
「タムラグループ行動規範」を制定し、事業活動と職務遂行の上での行動や判断の基準としています。その中の "基本的人権の尊重" の細則として以下の内容を規定しています。
・結社の自由の尊重:各国の法令に従った結社の自由と、労働組合への加入等の権利の尊重
・不当労働の禁止 :強制労働、債務労働、奴隷労働、非自主的囚人労働、児童労働の禁止
働きがい改革への取り組み
働きがいの向上と適正な労務管理を両立させるとともに、コミュニケーションを大切にする組織体制を築くことにより、ストレスが少なく快適に仕事に専念できる風土づくりに取り組んでいます。社長を最高責任者とする「働きがい改革&業務改革プロジェクト」を設置するとともに、2022年4月には推進部門も新設。「働きがいのある会社」の実現を目指し、働きがい改革の取り組みを強化しています。
◆心理的安全性向上への取り組み
「地位や経験に関わらず、組織・チームの誰もが率直に意見を言える」心理的安全性が確保された職場づくりに取り組んでいます。不確実で変化の激しい事業環境においては、一部の管理者だけが意思決定し上意下達で指示を出す従来のやり方ではなく、各現場が柔軟に意思決定・チャレンジして自律的に迅速に対応する必要があるためです。
2019年より取り組みを開始し、日本国内にて研修、定期サーベイの実施などを行っています。2021年度は、人事評価制度への心理的安全性の概念の導入や360度評価の実施など、管理職層の高いマネジメント力の発揮と従業員が安心して活躍できる環境づくりを期待し、チーム力の発揮に重点を置いた施策を推進しています。さらに2022年4月より、「働きがい改革プロジェクト」の重点施策の一つとして、各事業所からの選抜メンバーによる「心理的安全性浸透チーム」を結成、心理的安全性を各職場で実践し、全社に浸透させる取り組みを行っています。
これらの活動が評価され、
株式会社ZENTechが主催する「心理的安全性AWARD2022」にて、ゴールドリング賞に選ばれました。
「心理的安全性浸透チーム」メンバー
◆快適に仕事に専念できる労働環境の整備
従業員が継続して快適に仕事に専念できる労働環境づくりに取り組んでいます。
多様な働き方に対応する施策として、育児や介護、ボランティアなど多目的休暇や、時間単位での有給休暇を取得できる制度を導入しています。また、育児、介護、配偶者の転勤など一定の理由で退職した従業員を再び従業員として受け入れる制度を設けるなど、仕事と家庭の両立支援を実施しています。
在宅勤務制度も導入し、IT環境や規程などインフラ面の整備を行っています。 対面でのコミュニケーション機会が減ってもチームワークが損なわれることの無いよう、リモート環境に適したマネジメントスキル向上の取り組みや、メンタルヘルスのケア等に力を入れています。職場内での人脈形成やOJTを受けることが難しくなった新入社員を対象に、コミュニケーションスキルやセルフケアについての研修を実施しています。また、海外赴任中の社員は生活様式や価値観、仕事の進め方などの違いにより戸惑うこともあることから、いつでもオンラインでカウンセリングを受けられる体制を構築しました。
さらに、管理監督職を対象に、労務管理研修及びストレスマネジメント研修を実施し、コンプライアンスに基づく適正な労務管理の徹底と、ストレスの少ない職場環境の実現に向けた取り組みを推進しています。
◆ICT環境整備
雇用・働き方の多様化で、様々な状況下(場所、時間、距離)で行動する従業員が柔軟に働けるICT環境整備を推進しています。
これまで一部の従業員にのみ適用していた在宅勤務制度を全社展開する計画を進めていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止策として2019年度から前倒しで導入を行いました。クラウド環境でのデータ共有やWeb会議など、多くの従業員が自宅でも社内とほぼ同様の環境で業務できるようになっています。特に子供の学校臨時休校などにより自宅待機が必要となる従業員にとっては、子供のケアをしながら業務を行うことが可能になり、事業継続の観点でも有効です。
◆業務効率向上
業務改革プロジェクトでは、事業部門横断による業務効率向上に取り組んでいます。2021年度は営業管理業務の標準化と、RPAや承認フローの自動化ツールの活用推進などに取り組み、大幅な業務工数削減を達成しました。引き続き定型業務の自動化とそれに伴う従業員の高付加価値業務へのシフトを進めています。
◆グループ合同納涼祭の実施
従業員同士の親睦を深めることを目的に、隔年でグループ会社での合同納涼祭を実施しています。会場の装飾や飲食の内容から、有志の催し物や抽選会などのイベント、当日の司会進行に至るまで、従業員自ら企画・運営をしています。納涼祭には家族の参加も認めており、毎回大きな賑わいを見せる一大行事になっています。しばらくコロナ禍により実施を見合わせていましたが、2023年度は4年ぶりに開催することができ、多くの従業員が参加し、久しぶりの納涼祭は大いに盛り上がりました。
多様性の推進
タムラグループでは
「タムラグループミッション」ガイドラインの1つとして「多彩な個性を大切にする」と掲げています。
ダイバーシティと多様なライフスタイルに対応できる体制を整備し、性別・国籍にかかわらず誰もが安心して、長い期間、仕事を続けられる職場環境づくりを目指しています。
◆女性活躍推進
性別にかかわらず、優秀な人材の採用や登用、就業継続のための取り組みに力を入れています。2024年4月1日時点での当社の女性管理職比率は、9.9%となりました。2024年度までの行動計画においては、「人と組織の意識改革をはかる」、「多様な働き方を可能とする労働環境を作る」、「女性のキャリアを支援する」、「女性の積極的な登用を目指す」ことを定めました。2024 年度末までに女性管理職比率10%を目指します。
◆育児休業
従業員が利用しやすい育児休業の整備を順次進め、制度利用を積極的に推進しております。2013年度以降女性の育児休業の取得率は100%、男性は、2023年度は70%でした。また、女性の育児休業から復帰時の育児短期間勤務の利用率は2023年度も引き続き100%で、高い水準の制度利用を維持しています。
◆障がい者雇用と高齢者雇用
ダイバーシティ推進のため、障がい者雇用と高齢者再雇用に取り組んでいます。障がい者雇用は、2023年度には雇用率が2.53%になりました。また、定年後の再雇用を希望される方は100%再雇用し、全従業員の5%を超えるなど、幅広く多様な人材の活用を図っています。
安全衛生
従業員の安全、健康を確保し、かつ適正な作業環境を形成・維持することは、企業が継続していくために最も重要なことです。そこで、労働安全衛生法に基づいて設置が義務付けられている事業所においては 「安全衛生委員会」 を設置して、労働災害の防止、交通事故の防止、公害の防止、火災防止に関する問題点を抽出し、対策を講じています。また、安全衛生管理の計画的な実施や、異なる事業所間での情報共有を行うなど、グループで統一した安全衛生管理を行うために、国内関連会社も含めたグループ安全衛生委員会を半期ごとに実施しています。
◆労働災害の防止
当社では国内各拠点のグループ会社安全衛生担当者により構成されるタムラグループ安全衛生委員会を組織し、各拠点で発生した労働災害事例やリスクアセスメント実施結果の共有、再発防止策に取り組んでいます。
2023年度の労働災害度数率は1.05。強度率は0.0020となりました。
◆メンタルヘルス対応
適正な職場環境を維持するために、管理監督者を対象にメンタルヘルス研修を実施し、メンタルヘルスケアに関する基本知識の習得および「心の不調者」の発生予防と早期発見に取り組んでいます。
また、健康管理の観点、および適切な初動対応のために、全従業員を対象とする産業医による面談と、専門カウンセラーによるストレスカウンセリングの場をそれぞれ月一回設けるとともに、社外の従業員支援プログラム(EAP)と契約し、従業員やその上司が、自ら利用できるサポート体制を整えています。
従業員のストレスチェックは2016年度より実施しています。抽出された高ストレス者のうち希望者には産業医面談を行うとともに、組織単位での集団分析結果を各組織にフィードバックすることで良質な職場環境維持に努めています。