アウトガスを抑え80℃で接着・導通可能な「銀ペースト」を開発

2013/03/29 株式会社タムラ製作所

株式会社タムラ製作所(本社:東京都練馬区、社長:田村直樹)は、熱に弱いプラスチックやPET素材の接着・導通を可能にする低温で接着・導通できる銀ペーストを開発しました。接着時のアウトガスの発生も、従来品に比べて大幅に抑えたことにより、カメラモジュールなど熱に弱く、アウトガスの影響を受けやすい部品の接着・導通に最適な製品として広く国内外で拡販してまいります。



【概要

現在、スマートフォンのカメラ機能は、レンズを重ねることにより高画質を実現しています。レンズの素材は主にポリカーボネートのため、高熱がかかることでレンズの歪みにつながり、レンズを重ねれば重ねるほど、ピントをあわせられなくなる可能性がでてきます。そのため従来は、カメラモジュールの構造接続は低温硬化性樹脂のみでおこなってきました。しかしながら、高性能化及びスマートフォンの薄型化によりノイズがセンサーに影響し、センサーが光を電気信号に変換する過程で信号を乱す恐れがでてきたため、電磁波をおさえるためにシールド缶で覆うニーズがでてきました。そこで、低温で接着が可能で、レンズをくもらせるアウトガスを抑えつつ導通を可能にした銀ペーストへのニーズが高まってまいりました。

 タムラ製作所では、長年培ってきた合成樹脂の技術を活かし、今まで150℃前後であった硬化温度を、80℃程度の温度で硬化する「銀ペースト LICA」を開発いたしました。また、銀ペーストの色を黒に近づけることによってカメラモジュール内での反射を防ぐようにいたしました。今後、低温で導通が可能な接着剤としてスマートフォンのカメラモジュール以外の需要もひろくほりおこしてまいります。


写真:PETの間をLICA(銀ペースト)で配線を描きながら接合した状態




【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社タムラ製作所 経営管理本部 経営企画統括部  広報・IRグループ
TEL 03-3978-2012
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