中途入社者が馴染みやすい雰囲気

　前職でスイッチング電源用のトランス・コイルを設計していましたが、トランス・コイル専業の会社だったため仕事内容が限られ、技術者としての将来に不安を感じていました。そこで、「トランス・コイルを内蔵した製品を設計することで、技術を高めるとともに業務の幅を広げたい」という気持ちが強くなり、転職を決意。タムラはこの業界にいる人なら誰でも知っている会社であり、スイッチング電源や電流センサなど、トランス・コイルを含め磁性部品を使った製品を広く扱っています。まさに、私の希望にぴったりの業務内容でした。
　タムラの職場は、中途入社者に壁をつくる雰囲気はありません。仕事の流れは把握できても、中には使ったことのない装置もあります。そのときは手取り足取り教えてもらえて、とてもありがたいと感じました。やさしい社員が多く、すぐ会社に馴染むことができました。

　入社後は最初に電流センサの設計に携わり、現在はスイッチング電源の設計から量産化まで一連の業務を担当しています。私が主に携わっているのは、数ワットから40ワットくらいまでの小型のスイッチング電源の設計です。小型ならではの難しさがあり、コイルの構造や基板のレイアウトなど、総合的な設計能力が必要とされます。
　電気設計者の私が主担当としてプロジェクトを進めるため、仕様や回路の検討だけでなく、部品選定、原価検討、性能評価、信頼性評価まで仕事は多岐にわたります。各部門の人たちと調整を図るのも私の役割。当初は自分の主張を通そうとして苦労したため、途中からスタンスを変え、今ではみんなの話をよく聞いて思いを汲み取るよう心がけています。そうして、狙っていたスペックを実現し、無事に量産化にこぎつけたときは達成感に包まれます。

　タムラは、上司と部下の風通しが良く、しっかりとしたチーム編成のもとで明確に役割分担がされています。状況によって他部門とのやり取りに上司が加わってくれることも多く、部下が自分の業務に集中できる環境を整えてくれるので、非常に働きやすい会社だと感じています。
　また、電気設計や機構設計以外にも、基板設計、実装装置、ソルダーペースト、材料開発など電子部品周辺に関わる各分野の専門家が社内に揃っています。分からないことは社内でほぼ解決でき、専門外の知識がじわじわと身につきます。また、新しいことを試したり、触ったことがない製品を扱ったりするチャンスがあるので、やればやるほど知識を蓄えていくことができます。私自身、入社してから技術の幅が広がり、今は仕事がとても楽しいです。今後も製品の付加価値を高めるため最新技術を取り入れ、トランス・コイルにもこだわって技術を究めたいと思います。