新商品開発に欠かせないリアクタを設計

　もともとモノづくりに興味があり、大学で学んだ電気回路や磁気の知識を活かせる設計業務に就きたいと思いタムラを志望しました。希望通り、入社後はリアクタの設計を担当しています。
　最初に手掛けたのはエアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品に使われるリアクタです。タムラはエアコンのリアクタで国内シェアNo.1※を誇り、メーカー各社にとって新商品開発に無くてはならない存在です。私が開発したリアクタも数多く採用されており、電気店に行くと「この機種に搭載されている」と分かるので、達成感は大きいですね。
　現在は、産業用機器のリアクタの設計に携わっています。家電製品に比べて容量やサイズが大きく、開発にも長期間かかりますが、すでに産業用インバータや工作機械に私の設計したリアクタが搭載されています。

※当社調べ

　私の役割は、お客様の要望に沿ったリアクタを設計すること。性能やサイズなどの厳しい要望に対して、「どうすれば実現できるか」を考えるのが一番大変であり、やりがいを感じる点です。設計の際に、耐久性、耐熱性、耐振性など性能についてシミュレーション技術を活用するのがタムラの強み。上司やお客様に説明する際は、シミュレーション結果を踏まえ、その設計に至るまでのストーリーを伝えるよう心がけています。
　仕様が決まれば、設計図面を国内外の工場へ送り、電話やメールでコミュニケーションをとりながら試作を進めていきます。現地へ出張することもあり、中国などの海外工場で自分の設計したリアクタが製造ラインを流れていくのを見ると、製品として大量に世の中に出ていく実感が湧きます。

　タムラは、生活や産業に欠かせない電気製品の中身を支えている会社です。時代のトレンドや生活スタイルに合わせた製品設計を常に意識しながら、オンリーワン製品を開発してきた積み重ねが、お客様の信頼につながっているのだと思います。
　タムラは間もなく創業100周年を迎えます。パソコンのない時代から手描きで製図や計算をし、素晴らしいモノづくりをしてきた歴史があります。後に続く私たちは、そうした先駆者の知識や精神を吸収し、さらに精進を重ねて前進していかなければなりません。そして、オンリーワンカンパニーとして「100年企業」の名に恥じない、優れた製品を世の中に送り出していきたいと思います。